かんどり舟と吉野川
先日、隣町のかんどり舟を作る船大工さんの所を訪ねてきました。吉野川の流域ではこの方が最後の船大工さんです。
そして、現役83歳の大工さんは言う。「特に作り方を次の世代に伝えたりしていない」と。
誰か受け継ぐ人はいないのかなぁ。俺かっ?。などと考えさせられる一日でした。
かつては、水量豊富なこの川に、たくさんの「かんどり舟」が並び漁をし、それが夏の風物詩だったのだろう。
そんな頃の吉野川をイメージしながら、カヌーで下るのも良いもの。
日本の川の悲しい現実だが、ダムができ、川の水量が減り、深い淵がなくなり、魚が減り、川漁師の数が減り、川漁師が使うこの「かんどり舟」を作る人が少なくなり文化がなくなっていく。寂しいけど時代が変わるのはそういうことなんかなぁ。
今年は群馬の八ッ場ダム、去年は熊本の川辺川ダムを見に行ったけど、日本の川は、行って感動することがあまりない。
川で仕事をしていて、こんなことを書くのは良くないが、①これ以上川が悪くなるのを防ぐため。②一般の人に川に関心を持ってもらう機会を作るため。③それと自分が川で遊び続けたいたい。という思いで川の仕事をやっている。そんな中で一番奥が深いと感じたのがこの吉野川なのだ。
川って何だ?
とウィキペディアで調べてみると、(吉野川の写真が出ていてうれしくなった)川は恒久的な構造ではないと書いてある。ようは循環。地球における水の循環と物質の循環。なので、たまには洪水もするもの。治水や利水は大事かもしれんけど、ちょっとやりすぎじゃないですか。と国に言いたい。
そんなようなことに一番敏感な人種はこの地球の循環の中で「遊び」を通して関わっている。カヌーイストであり、釣り人であり、登山家であり、サーファーなどであったりするんだろう。
国はお金の絡んでいない「遊び人」の意見を尊重すべきだ!
と勝手なことを思ったりする今日この頃。
アウトドアはスポーツの中で唯一、競技性がなく、山も川も海も境がなく、自由に楽しめる行為。なのではないか。
だから僕は山も川も海もやるし境界線は作らないし、上手いやショボイも気にしない。
あ、でも。
一応、川下りは上手い部類です。プロですから。
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